通る提案書の鉄板テンプレート
2017/04/24
“すんなりと通る提案書”
毎回出す度に何の反論もなくすんなりと通っていくような提案書を作ってみたいと思いませんか?
提案書を書いたものの、上司に見せればダメだしをされ、取引先からは疑問や質問の数々、読んだだけですんなり受け入れられる機会などそうは多くはないと思います。
時間をかけて一生懸命に作成したのに、修正や作り直しをしなくてはならないとしたら大きな労力と時間のロスになってしまいます。
何よりも仕事に対するモチベーションの維持が困難になる可能性もあるでしょう。
では、一発で受け入れてもらえるような“通る提案書”を作るにはどうすればいいのか?
そこで今回は、「通る提案書の鉄板テンプレート」についてお伝えしていきたいと思います。
もし、すんなりと通る提案書を作りたいとお考えの方は、ぜひ最後までお読みいただきたいと思います。
■通る提案書の鉄板テンプレートとは?
「通る提案書の鉄板テンプレート」実際にそんなものがあるのでしょうか。
もちろん「YES」です。
ただ、それは一般的な情報の中にはありません。
インターネットで検索してみるとたくさんの情報が溢れていますよね。
テンプレートそのものを書式化したもの、一般的なビジネス知識を形式化したもの、自社サービスに呼び込むための広告的なアドバイス、、、等々
いろいろな考え方があるとは思うのですが、一番根底に持つべき考えは「そもそも提案書を読むのは人」だということです。
それっぽいテクニックや形式ばったただのテンプレートを使っただけではあまり意味がありません。
読み手である人がどう感じてどう納得すれば受け入れてくれるのかを、きちんと考えていかなければならないわけです。
そこで、通る提案書を作る上でもっとも適したテンプレートがあります。
それは法則なのですが、提案書にも非常にマッチするものです。
『PASONA(パソナ)の法則』
PASONAの法則とは、主にセールスの場面で用いられている、人間の購買行動心理に則ったアプローチを法則化したものです。
もしかすると、あなたも耳にしたことはあるかもしれませんね。
でも、なぜ提案書にPASONAの法則?
そう思う人も中にはいるでしょう。
実はこのPASONAの法則というのは、人の行動心理に適った方法でもあるので、こういった企画や提案といった場面でも大いに応用が利くのです。
そして、相手がどんなに批判的な態度で提案書を読んでいたとしても、「思わず納得して受け入れてしまった」ということが往々にして起きるのです。
一般に言われているテンプレートを使ったとしても、まず起こらないことでしょう。
ですので、ここで「PASONAの法則」知っておくだけでも大きなアドバンテージになることは間違いありません。
今からその詳細をお話ししていきます。
■鉄板テンプレートの詳細
『PASONA(パソナ)の法則』とはどのようなものかを詳しくお伝えしていきます。
PASONAとは、
【P】Problem
【A】Agitation
【SO】Solution
【N】Narrow down
【A】Action
それぞれの要素を持つ言葉の頭文字を取って合わせたものです。
【P】はProblemで、「問題の提起」という意味です。
【A】はAgitationで、「問題の炙り出しを行って、煽っていくこと」を言います。
【SO】はSolutionで、「解決策の提示や根拠となる証拠の提示」をすることです。
【N】はNarrow downで、「限定性や緊急性を提示して絞込みをする要素」のことを言います。
【A】はActionで、「具体的な行動策」を提示する要素です。
このように一連の行動心理を具体的に形式立てたものがPASONAの法則です。
では、さらに詳しく分解していきます。
【P】Problem(問題の提起)
まず、読み手である人が今もっとも問題としていることは何なのか、
物事を行う過程でもっとも障害となっているものは何なのか、
それらを浮き彫りにして、「このような問題によって苦しんだり悩んだりしていませんか?」というように認識させていきます。
そして、「その問題点を主題にこれから話を進めていきますよ」と相手に提示していく部分になります。
ここで浮き彫りにすべき問題点は、あなたがこの件についてリサーチした中の“もっとも大きな悩み”を提示しなくてはなりません。
いわゆる訴求ポイントですから、あまり重要ではない問題点を指摘されても相手に響かないわけです。
一番の悩みや問題をピンポイントで指摘するということを意識してください。
【A】Agitation(問題のあぶり出しを行って、煽っていく)
次に、浮き彫りにした問題点をさらに明確にあぶり出して、その問題によってどんな悪影響があるのか、このまま解決できなければどんな不利益を被る可能性があるのかなどを提示して、今すぐ対策が必要であることを気づかせます。
できればここで、問題点を具体的に数値化して、たとえばグラフやデータなど視覚的にイメージしやすい形を用いるといいでしょう。
このAgitationで注意すべきことは、誇大な煽りをしないことです。
時折、必要以上に不安や恐怖を煽っている人を見かけますが、無理やり相手の感情を動かそうと誇大表現を使っては不要な煽り立てを行っています。
それでは、一瞬は相手に行動を促せるかもしれませんが、決して長期的には通用しません。
必要なのは、的確に現実を見せて気づいてもらうことなのです。
【SO】Solution(解決策の提示、根拠となる証拠の提示)
問題をはっきりさせた上で、次にその問題を解決するためにはどうすれば良いのかを具体的に提示していきます。
このSolutionが、あなたの提案のアピールポイントでもあります。
たとえば、
「その問題は当社の○○なら簡単に解決することが可能です。」
「その根拠は○○にあります。証拠となるデータとしては□□で~」
といった形で、自社の商品やサービスが問題解決に役立つことを伝えていきます。
など、自社の商品やサービスを利用することによって問題はすべて解決できる、ということを提示するわけです。
さらにここでも、根拠となる証拠を明確に数値化したり、データや資料を合わせて用いることでより説得力を持った提示が可能になります。
【N】Narrow down(限定性や緊急性を提示して絞込みをする)
具体的な解決策を提示した後は、その解決策に限定性があることを示します。
限定性や緊急性を持たすことで、この後に行うオファーを受け入れやすくしてもらうためです。
たとえば、
「・・・しかし、この商品は○○の事情で供給できる数に限りがあります。なぜなら~」という風に、あなたの提案が非常に希少なものだと認識つけるのです。
また、緊急性を伝えたいのであれば、
「まさに今が市場の成長時期だと言えます。ですので、ライバルが少ない今のうちに参入し、他社に競合させないよう参入障壁を作るべきです。」
という形で時間的制約を意識させて緊急性のアピールを行ってもいいでしょう。
もしかすると、「うちの商品やサービスに限定性なんて当てはまらないよ」
という人もいるかもしれません。
ですが、そういった場合であっても可能な限り堀り下げてみてください。
この世界で“永遠”に続くものなんてほぼ存在していませんので必ず何かしらの限定性はあるはずです。
ただ、どうしても思い浮かばないという場合は、たとえばサポートやアフターサービスなどの付加価値に対して限定性をかけていくこともできます。
この限定性や緊急性があるとないのでは聞き手のスタンスはまったく違ってきますので、必ず何かしらの限定をかけていく意識を持つことが重要です。
「いつまでも検討できるほど猶予はないですよ。」
という意思をしっかりと伝えることが大切なのです。
【A】Action(具体的な行動策の提示)
最後は具体的な行動策を提示します。
オファーと言われる部分ですね。
自社の商品やサービスを使うためには何が必要か?
どれだけのコストがかかるのか?
どういった設備が必要になるのか?
スタッフの人員は?
スペースは?
どれだけの時間が必要なのか?
このような疑問をすべて解消しながら実際の行動を促して、最終的な目的へと誘導していきます。
できれば、分かりやすく具体的にステップバイステップで伝えることを意識してください。
複雑で分かりにくいステップでは読み手がイメージできないからです。
ポイントとして、とにかく具体的でシンプルにすることが大切です。
どれだけシンプルなステップにすべきかというと、たとえば、お母さんが4歳児の子供の手を引きながら、一つ一つの用事をさせていくような感じです。
「これはここを〇〇して△△するのよ」
「次にこの〇〇を△△して、、、」
というくらい具体的なやり方を提示することが大事で、何も分からない人が初めて聞いたとしてもすぐにイメージできるくらの簡潔さがポイントになります。
そこまですることで、相手の頭の中に明確で具体的な行動イメージができ上がるのです。
あとは「行動してください」と伝えるだけというわけです。
■まとめ
『PASONAの法則』なんとなくでも理解できたでしょうか?
このPASONAの法則は主にダイレクトレスポンスマーケティングと呼ばれるマーケティングで用いられるセールスのフォーミュラ(型)なのですが、実際にはあらゆるビジネスの場で使えるテンプレートです。
人間心理をベースに構築されているため企画書やプレゼンなどでも当然のように生かせる型ということです。
当然、提案書においても強力な効果を発揮するでしょう。
一般的な企画書や提案書では演出できない、相手を行動させる要素が凝縮された、まさに「すんなり通る提案書テンプレート」と言えるのです。
ぜひあなたの提案書作りに取り入れてみてください。
きっと大きなメリットを感じられるはずです。