業績が悪化した時に、デキる経営者が打つ手とは?
2017/03/27
国内の人口減少、経済のグローバル化、実感なき景気回復・・・
挙げればキリがないほど、企業には業績悪化の要因が取り巻いているといえます。
しかし一方では、厳しい経営環境下でも着実に業績を上げる企業、業績悪化による影響を最小限で食い止められる企業があるのも事実。
これらの明暗を分けるのは、企業を舵取りする経営者の「打つ手の違い」といえるでしょう。
今回は業績が悪化した時に、デキる経営者の打つ手を見ていきましょう。
■製品・サービスは「盛衰があるもの」と理解する
あらゆる分野において、どんなに優れた製品・サービスを開発したとしても、必ずいつかは需要がなくなり、売れなくなるものです。
多くの経営者はこれを常識的に知っているはずですが、案外気づかないまま時を重ねたり、さらなる拡大を夢見て巨額の投資をしてしまったりするもの。
そうして、大きく業績が悪化してから慌てるのです。
これに対してデキる経営者は、常に次なる売れ筋を考え、新しい製品・サービスを開発しつづけます。
また、生じた利益は開発費や将来の拡大に向けた投資に回すのです。
そして、わずかでも業績が悪化すれば、原因究明を急ぎ、業績を回復へ転じるための具体的な手を打ちます。
老舗企業であれば、社史等を読み返しながら、過去にあった同様の史実や経緯から学び、それらに習って手を打つということもできるでしょう。
■原因を外ではなく、内に求める
業績が悪化してくると、つい景気や経済情勢といった外部環境を原因にしてしまいがちですが、それで業績が回復することはありません。
まずは製品・サービス自体の質、販売チャネル、社内体制などをあらゆる点を見直し、問題があるなら解決を図るべきでしょう。
これまでも、日本企業は地政学的リスクによる原油高騰、中国の経済発展に伴う資源物の高騰など、明らかな外部環境によって影響を受けるということが度々ありました。
しかし、こうした局面でデキる経営者は、単に外部環境からの影響を食い止めることに終始せず、これを一つの契機として、すべての膿を出すかのごとく、今後の業績向上について障害となり得る要因をもあぶり出しているのです。
さらには、業績が悪化している現況を社員に伝え、回復へ向けた努力について協力を求めます。
こうした情報共有や経営者の誠実な姿勢は、大きなリスクを伴うビジネスモデルの再構築、負担が生じる社内改革を断行するという時に、一体感を生み出す原動力となっていきます。
これにより、業績悪化を早急に食い止めるだけでなく、業績を悪化させた土壌を改善し、今後業績を向上させる萌芽を育む契機へと転じていくのです。
■「見切り千両」という英断も時には必要
有名な相場用語に「見切り千両 もうはまだなり まだはもうなり」というものがあります。
見切り千両とは、
「損が確定した段階で見切ることがさらなる大損を防ぐ。
それは(千両分の)価値がある」
という意味です。
経営者は時に、事業撤退という判断を下さなければなりません。
もしかしたら業績悪化は一時的なものかもしれないと思う気持ちもわかりますが、そうしたときにこそ、感情に流されることなく、冷静に判断していくべきでしょう。
デキる経営者は、見切るタイミングを知っているものです。
基本的に現状の財務状況を抑えている経営者であれば、損失が○○万円を超えたら、赤字状態が△カ月続いたらといった具体的な数値で撤退を判断する線引きを考えています。
この判断の的確さこそ、デキる経営者の要件といえるでしょう。