短期間で急成長!リーダーに不可欠な「メンター」の存在
2017/02/08
伝統芸能や工芸、アスリートといった職業には「師匠」「指導者」といった方がいますが、ビジネスの世界でも師匠や指導者のような存在(=メンター)をつくるが増えています。
会社なら職場・部門が同じ上司や先輩、教育担当者を選ぶ手もありますが、多くは違う部署、または社外の方にメンターをお願いするようです。
ここではメンターをつくるメリット、注意点について考えていきましょう。
■客観性、幅広い知見をメンターに期待
ご存じの方も多いと思いますが、メンターはギリシャの叙事詩『オデッセイア』の登場人物が語源になっており、「良き指導者」という意味を持ちます。
ビジネスの世界で師匠、指導者といってもイメージしにくいと思いますが、そもそも経営者層には「仕事上の師匠を持つ」という習慣があります。
同業界の敏腕経営者や専門家など、自分が理想とする人物をメンターとして師事し、自らを成長させていくのです。
最近では、欧米でも一般社員がメンターをもち、リーダーの能力と資質を高めるということも増えています。
さて、メンターを誰にするかは自由ですが、基本的には
・職場、部門が異なるメンター=客観的な意見が聞ける
・年長者のメンター=経験の豊富さ、幅広い知見が期待できる
など、自身の目的もふまえながら決めることが一般的です。
具体的には、
・本社や別の拠点で活躍する同じ部門のリーダー
・長年にわたって特定分野で活躍してきたエキスパート
・各分野における著名人や専門家
などの立場にいる人物にメンターとなるようお願いをします。
そしてメンターとは定期的に面談を行い、現況のアドバイスを受けたり、判断に迷ったときに助言を受けたりするのです。
やり取りでは必ず気づきや学びがあり、自らの欠点などを確認しながら成長の糧とします。
これは独学よりも気づきや学びがある分、短期間でグングン成長する方が多いのが特徴です。
■陥りやすい「評価は受け入れ、指摘は除外」という思考
しかしながら、メンターをもつ方から話を聞くと注意点が見えてきます。
多いのは「良い評価は受け入れるが、自分にとって不都合なことや欠点に対する指摘は除外か無視をする」というタイプの存在。
とくに複数のメンターがいるケースでは、メンターごとに意見が異なることもあり、どうしても「耳あたりが良く、前向きな意見」ばかりを聞いてしまうようです。
これでは、メンターがいても成長は期待できません。
現代は良い部分を伸ばす人材育成が重用されていますが、メンターも褒めるばかりの人物というのは疑問が残ります。
職場・部門が異なり、利害関係のないメンターこそが自分の姿勢や考えを客観的に見るに相応しい存在なのです。
そして、自分が足りない、あるいは鍛えるべき部分をストレートに指摘されるからこそ、その部分を改め、カバーする能力を磨く動機づけになるのです。
また、メンターに甘えたり、成長しない原因をメンターに押しつけたりすることもNGです。
メンターをお願いからには
「すべてを受け入れ、成長しよう」
という強い決意が必要です。
■身近にいないなら、自身がメンターを目指そう!
中小企業や人脈を広げにくい部門で働いていると、身近にメンターがいないという方もいると思います。
そうした方にオススメしたいのが、
「自身がメンターを目指す」
ということです。
論理が矛盾していると思いがちですが、決してそう言い切れるものでもありません。
自己の成長のみを考えて我流で学んでいくことに比べ、メンターを目指すとなると
「特定の分野を専門的に学び、極めよう」
「人間的にも成長しよう」
「MBAやNLPなど、メンターに役立つ資格を身につけよう」
など、より具体化した目標設定ができます。
さらに、誰かの為にやろうという想いは、使命感や責任感に転換しモチベーションの維持・向上にもつながるといえるでしょう。
(メンターを目指そうと思ったあなたにおすすめ
ますます多様化する社会にあって、自分の事を理解し、助言してくれる存在の重要度は高まっています。
自己成長のためにメンターをつくる方も、ぜひ力をつけた後にはメンターとなって、新たな人材を育てていただければと思います。