カリスマ経営者に共通する3つの能力
2016/12/27
日本では2000年前半に「カリスマ○○」というワードが流行したことは、記憶に新しいことでしょう。
カリスマとは「神様からの贈り物」という意味を持ちますが、以前から企業では“神様”ともいうべきカリスマ経営者が存在し、それぞれの時代で日本の経済をも動かしてきました。
今回は、そんなカリスマ経営者に共通する3つの能力を見ていくことにしましょう。
■ポイント1:他にない圧倒的な個性・魅力の持ち主
カリスマ経営者と聞いて浮かぶのは、他にないキャラクターでしょう。
圧倒的な個性や魅力を備え、それが周囲を惹きつけるというイメージがあります。
現に日本でカリスマ経営者と呼ばれる顔ぶれを見ると、いずれも独特の個性があり、存在感を漂わせています。
個性や魅力は先天的な部分もあり、成人する前から素質が感じられるエピソードをもつ経営者もいます。
ただ、すべてが先天的とも言い切れるものではありません。
人は常に他人から影響を受けて変化する生き物ですから、師事する人や仲間うちに強烈な個性を放つ人がいたり、大きな困難を乗り越えたりという経験によって、カリスマ性を備え、磨き上げていく経営者もいます。
また、誰もが最初からトップということもありません。
一社員として、一スタッフとして陰ながら苦労をし、自らを鍛えた結果として今日があります。
だからこそ、キャラクターだけではなく、売上や事業拡大等でも大きな成果をあげることができるのです。
■ポイント2:論理性とわかりやすいビジョンを語る力
テレビ番組や動画の影響かも知れませんが、カリスマ経営者は雄弁というイメージも定着しています。
雄弁さは実際のところ、個人差があるとは思いますが、総じて言えるのは
「筋が通っていて、わかりやすいビジョンを話す」
ということです。
話を聞いた社員は納得して動くことができ、おのずと目標に対する結果もあらわれます。
ビジネスの世界で論理的思考はリーダーにとって必須とされていますが、これを磨くには「学ぶこと」と「実践し考える数を増やす」ことになります。
カリスマ経営者も、幾度もの失敗を重ね、他から学ぶことを継続しています。
また、じっくり考えること、判断する材料(情報)を常にインプットすることも繰り返し行っています。
自信に満ちあふれ、悠然と語るカリスマ経営者は、水鳥の如く水面下で努力を重ねているとも言えるでしょう。
■ポイント3:自身と周囲の能力、近未来を見抜く力
専門性が高い人材をスペシャリストと言いますが、トップに君臨するカリスマ経営者は「すべての分野におけるスペシャリスト」と思ってしまう方がいるかも知れません。
これは多くのカリスマ経営者にとって誤りであり、むしろ自身の得手不得手をよく理解しています。
その上で、自分の不得手な分野やとくに力を注ぐべき事業領域について、スペシャリストを配置し組織を動かしているのです。
また、これができる前提条件として、部下やブレーンとなる周囲には心強い味方の存在があります。
そしてもう一つ、
カリスマ経営者は近い未来を見抜く力
を持っています。
いわゆる経営者の勘とも言い換えられます。
昔であればパナソニック創業者の松下幸之助氏、現代であればソフトバンクの孫正義氏がこれにあたるでしょうか。
未来を見抜く力は、経験とセンスの合わせ技であり、こちらもポイント1と同じく先天的な要素が強い部分もあります。
ただ、見抜く力と経営力は異なるものであり、自身のブレーンにこうした能力を持つスペシャリストがいれば、十分に補完できると考えられるでしょう。
次代を担う経営者候補、幹部候補にとっては、現代に活躍するカリスマ経営者がお手本であり、目指していくものでしょう。
ポイント1~3ともに言えるのは、いずれのカリスマ経営者もどこかの時期に、それなりの苦労をし、乗り越えて今日があるということ。
先人が言うとおり、若い間に「買ってでも苦労」をして、カリスマ性にも通じるそれぞれの資質を身につけ、磨いておくことが大切です。