高額なコンサルティングには本当にそれだけの価値はあるのか?
2016/11/03
■コンサルティングは万能ではない
当然のことながら、高額なコンサルティングが万能というわけではありません。
緻密な現状分析、自社では入手できない、用意できないデータに基づいた最適な課題解決への筋書きには、説得力があり、万全の策、課題解決への光が見えるかもれません。
しかし、世の中に100%はありません。
他社での成功例があるからと言って、御社が同じようにそのコンサルティングファームによって、同じような成功に導かれるかはまったく別問題です。
なぜなら、その他社と自分の会社とは組織も組織する人員も、歴史も、そして理念も違う、まったく別モノだからです。
■コンサルティングが無駄になる理由
高額なコンサル料も生かせない原因は、自社内部にあるかもしれません。
どんな解決策をコンサルが提示したとしても、もし、クライアントである自分の会社に、その策を実行する準備ができてなければ、どんなに高額な支払いをしてもそれは無駄な投資にしかなりません。
新規事業を開始する、10年後を見据えた組織改革をする、コンサルティングを受ける内容は各社様々でしょうが、まずコンサルティングを求める課題の重要性があるとの認識が自社にあるでしょうか。
また、自社の課題解決のために、「よそ者」を招き入れてその策を練っていくわけですから、「うちの会社のこともよく知らないくせに」と言わない、また社員に言わせない体制や心の準備は整っているでしょうか。
どんなに高額なコンサルティング料を支払ったとしても、クライアントとなる企業側に課題の重要性の認識がなければ、どんな策を提案されても、どの案に対しても、場合によっては、批評、批判、アラ探しで終わってしまう可能性が高くなります。
また、コンサルティングにより、課題解決までのプロセスまで提案がなされたとしても、特に何かの変革を伴う場合には、自社全体での問題意識の共有、特に組織内に必ず存在する現場の保守派に現状を変えることの目的や意義を理解させ、コンセンサス得ていないと、必要以上に課題解決へのアクションに時間がかかってしまいます。
■まとめ
高額商品にはありがたみがあります。
支払った費用が高ければ高いほど、その投資に対するリターンを多く、という意識が働きます。
よって、本気で自社の課題解決に取り組む場合、高額の費用はある意味、いいドライブになると言えます。
ただし、その高額な投資を活かせるかどうかは、クライアント側の課題解決への取り組みの本気度や、変革をも受け入れる自社の準備体制をどれくらい整えられているかという、コンサル側ではなく、自社側が決めると言えます。