できる人の頭の中はこうなってる!
わたしのエピソードをお話しましょう。
わたしは大学を卒業して、最初は非常に大きな企業、
皆さんもご存知のような大きな企業に入り、そこでいろんな新規の事業をやっていました。
その後、会社を辞めて自分で起業しました。
そうすると、
それまでは会社の大きな看板、それから資本力、それから人材、いろんなものを活用できたのですが、一人になってスタートアップを始めた時には、
資本もない、人材もいない、ネームバリューもない・・・。
そんな、ないないづくしの中で、
じゃあ、何が重要か?
というと自分の思い描くアイディアや企画を、投資家や見込みのお客さんに魅力的に伝えないといけないということだったんです。
けれど、これがなかなかできなかったです。
それが大変苦労しました。
その時にふと思ったことがあります。
よくある会議の場で、話が全くまとまらなくて、ムダな時間ばかりが過ぎてゆく、
そんな時にすくっと立ち上がって、
その話をピシッと簡潔に整理する人がいました。
例えば、
ホワイトボードの前で、
「我々の今日の議論はこんなストラクチャーになっているから、今の君の意見はここにあるよ。だから今度は、我々はここの議論をしないといけないね!」
などと、ふつうに理路整然と説明するんです。
私から見ると、すごく頭の切れる人だなぁ、と感心しきりでした。
私はそうした人たちを見ていて、
「頭の切れる人というのは、頭の中が図で出来ているのではないかな?」
という風に思ったんです。
ですから、私もぜひそうなりたいと思いました。
ですが、
情報を整理しないまま頭に入れても・・・。
それが頭の中で、勝手に図ができるほど、自分は頭が良くない。
じゃ、どうしよう、といろいろ思いました。
結論として、
じゃあ、頭の中に入れる前に図にしてしまえばいいじゃないか!
と。
それ以来、
アイディア出しの会議や商談の席で、
メモやノートの箇条書きをすべて止めて、図だけでメモを取るようになったんです。

ぜひ、あなたのビジネスの仕組みも図に書いてみましょう。
人物相関図を描いてみる、営業プロセスの問題を分解してみる、流通プロセスを図解してみる、また、有名企業のビジネスモデルを描いてみるのも良いです。
これからはますます、ビジネスシーンのなかでグローバル化と効率化が望まれます。
図解で考え、伝える技術はさらに重要になってきています。
たとえば、最も簡単なビジネスモデルは「本屋さんが本を500円で売る」のようなものです。
これを図解にすると、このような形になります。

ところがこの本は、本屋の店主が書いたのではありません。
本を書いた著者がいて、さまざまな流通経路を経て、本屋に並びます。これを図解にすれば、

このようなかたちになります。
ビジネスモデルというと何やら難しく考えがちですが、つまり「儲ける仕組み」のことです。
誰に何の価値を提供して、お金をいただくのかを図にすると、流通上のどの過程でいくらのビジネスが生まれているかが、手に取るように分かります。
ちなみこのお客さんが、本を買って読むだけだったら、単なる消費者です。
でも、お客さんがアイディア豊富なコンテンツプランナーだったらどうでしょう?
興味深いテーマを考えて読書会を主催するかもしれません。

会場を借りて、参加者を集めて、そこでも利益を生み出すビジネスモデルを持つことになります。
それぞれの図をズームアウトしてみると?

著者、発行元、発売元、取次店、本屋、実は読書会の主催者だったお客さん、それぞれのビジネスモデルがあり、それらがつながっていることが一望できます。
このようにあなたのビジネスも、取引先のビジネスモデルとつながっています。
ビジネスの仕組みを図解すれば、どこにどんな提案ができるか、どこで利益を生み出せるか、それを直感的に伝えるためにどうプレゼンすれば良いか、価値ある情報をアウトプットできます。
ビジネスモデルのどこかに利益や負担が集中するのはよくありません。継続的なビジネスは、こうしたつながりあるプレーヤーがみんなハッピーになることが理想です。
新しいビジネスを創り上げるには
もし今、ビジネスを創り上げる段階なら、最初のプロセスは、お客さんが抱える問題を知ることです。
そのためには、お客さんの問題や悩みを、あなた自身で感じ取る観察力、洞察力が重要です。
次に、問題解決のために、今までとは違う「アプローチ」も必要です。
お客さんの問題点を見つけられたとしても、簡単にその解決案を思いつくことは難しいでしょう。ですが、これまでと異なるものの見方、これまでと違う確度からの目線、違う領域での成功パターンの応用などから解決案を見つけていくのです。
さらにアイデアをスピーディに実行し、実行した結果を分析し、マーケットのニーズに合わせて柔軟に適応させていきます。
新しい価値を発想するためには、全体像を把握しながら、なおかつ、小さな実行を繰り返し、分析して全体を修正していきます。
これらのフローも、シンプルな図を頭に描きながら、全体を考えることによって、各段階の情報を整理できるでしょう。図解思考は、あらゆるビジネスシーンで応用でき、大幅な生産性のアップ、企画・発想力のアップにつながります。