ビジネスにおける広告の重要性を今さら再検証してみた
2017/05/24
テレビをつければCMが流れ、新聞を開けば記事下に広告が載り、ウェブサイトを見ればネット広告がある。
私たちは広告に囲まれて生活していると言ってもいいくらい、日常的に広告と接しています。
そんな広告を打つのはほとんど企業であり、ビジネスをする上では常識のように行われています。
しかし、そもそもビジネスにおいて広告はそれほど重要なのでしょうか。
広告の目的から再検証をしてみましょう。
■商品・サービスの信頼はブランドから
まずは理論から。
広告については、MBAにおけるマーケティング用語として「広告戦略」が定義されています。
これは、企業が提供する商品・サービスについて、消費者は何らかの形で企業やブランドを認知し、信頼感があるからこそ購入するという考え方。
企業はそのために広告を打つというのがこの理論です。
例えば、自動車を購入するとして考えてみましょう。
消費者が購入するのは自動車メーカー系列の販売店や中古車販売店など様々ですが、まったく見聞きしたことがないようなブランドの車種をあえて選ぶという人、ごく少数だと思います。
それは、自動車メーカーが日常的に広告を打っていることを消費者が認知しており、「まったく見聞きもしない企業=高額を支払うにはリスクがある」と感じるからです。
とくに消費者と直接的に取引を行うBtoC企業であれば、少なからず広告を打つことでしょう。
また、特定の会社が独占的に製品を作っていたり、対法人のみの取引を行う企業では広告を打たないケースもあると思いますが、言葉の意味としては「広く告げること」ですから、それなりに広告活動をしているといえます。
■企業姿勢を訴え、価値を高める
社会インフラに携わる企業、広範な事業領域をカバーするグループ企業などは、企業価値を高める目的で広告を打っています。
よく見かけるのは、環境保護の啓発や環境CSRへの取り組みを発信する企業広告です。
これは商品・サービス自体をプロモーションして利益増を図るものではありません。
企業としての姿勢を訴えることで、企業価値を高めることが目的です。
企業価値を高めるという概念は抽象的に思うかも知れませんが、視野を広げれば株価上昇や取引先の増加、商品・サービスの購入機会増、優秀な人材の獲得などにもつながります。
また、企業やブランドに対して好感をもつファンが増えることは、将来的な業績向上にも寄与するといえるでしょう。
■消費者のニーズや反応を探る
テレビやラジオ、新聞、雑誌といった従来メディアがいずれも一方向の情報発信にとどまるのに対し、インターネット広告は双方向の情報発信が可能です。
たとえばFacebookならいいね!やシェア、Twitterならリツイートといった形で広告主が消費者の反応を受け取ることができ、ニーズを測ることもできます。
また、ウェブサイトであれば訪問回数、時間、閲覧者の地域、手段、よく見ている場所、ページ内URLのクリック回数など、詳細な情報を得ることができます。
これにより、従来は把握できなかった「商品・サービスは購入しないが、興味がありそうな人」の数や傾向がわかるようになりました。
これら情報は商品・サービスの企画や企業としてプロモーションしていく大事なデータになるため、広告を打つ目的の一つにもなっています。
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■まとめ
消費者においては、広告にネガティブなイメージを持つ方が少なくないと思うかも知れません。
しかしながら、1つ目であれば商品・サービスを選ぶために、2つ目であれば企業を知るときに、広告が非常に役立つことを理解している消費者もいます。
また、3つめについては消費者のニーズにマッチさせていくものですから、決してイメージするようなネガティブさはないでしょう。
ただ、広告には時代ごとにトレンドがあり、その時流に乗れているかどうかで印象も変わってきます。
そうした意味では、企業担当者は重要性を再確認しながらも、戦略的に取り組んでいくことが不可欠といえるでしょう。