生産性の向上に必要なこと
2017/03/29
生産性向上とは業績を伸ばしつつ、コストをできるだけ削減して利益を増やすことです。
そのためには単にコストを減らすだけでなく、現場の生産性が向上するための人材育成やプロジェクトの展開などを工夫する必要があります。
■生産性とは何か?
現代のビジネスシーンでよく耳にするのが「生産性」という言葉です。
言葉から何となく意味が理解できそうですが、具体的に「生産性の向上を目指せ」といわれてもピンとこない方も多いのではないでしょうか?
この生産性向上には大きく2つの意味があります。
まず業績を伸ばすような
よい企画・プロジェクトを次々と生み出せる環境を作る
こと。
これは必ずしも独創性に溢れた優秀な人材を集めればよいというわけではなく、アイデアが通りやすい組織内の風通しのよさや、優れたアイデアを実際に形にすることができる企画力・提案力、さらにプロジェクトを円滑に進めることができるプロジェクトマネジメントやリスクマネジメントといった環境づくりを伴う必要があります。
この意味でも生産性が高い企業ほど次々と魅力ある製品やサービスを生み出すことができます。
もうひとつの生産性向上とは
成果に対するコストの低下
のことです。
簡単に言えばひとつのプロジェクトに投入したお金や時間、労力をできるだけ減らすことを言います。
例えば3000万円の売り上げが見込めるプロジェクトがあるとします。
その達成に対して3ヵ月の時間が必要な場合と、2カ月で済む場合とでは手元に入る金額は同じでも利益には大きな差が生じます。
必要な時間を短縮できたことで人件費を減らすことで経費が少なくなりますし、短縮しただけ次のプロジェクトへ早く移ることができる分、収益を上げる機会を増やすこともできるのです。
■現代に求められる生産性とは?
現代ビジネスでは後者の生産性が重視される傾向が見られます。
製造・販売業などでは市場規模が頭打ちの傾向が見られるうえに、競争が熾烈になっているので業績をひたすら伸ばし続けるのが難しく、いかにコストを減らして利益の幅を広げられるかが、利益を上げるうえでのポイントとなっているのです。
■生産性を向上するためには?
できれば2つの意味の生産性を同時に向上させていきたいところですが、そのためにも人を育てることが大事です。
企業はコスト削減の観点から人を育てるコストと時間を省く傾向が見られますが、その結果魅力的なプロジェクトを効率よく進めていくためのノウハウを持った人材が不足し、かえって生産性を低下させてしまっているケースが見られます。
そして業務にはできるだけ
連続性を持たせる
ことです。
達成したプロジェクトを振り返り、新たに得た知見や直面した問題点をフィードバックさせることで次回の生産性を高める。
この循環を作ることができるかどうかが問われます。
コストを減らして利益を増やすことだけに目を向けていると、この生産性向上がなおざりになり、かえって企業としての力を損ねてしまうこともあるので気をつけたいところです。