高額な経営セミナーの学習効率を9倍高める方法
2017/03/20
多くの会社では、外部のセミナーや講演、研修会へ社員を参加させ、人材育成の一助としています。
新入社員向けのビジネスマナー講座、管理職向けの業務改善セミナーなど、テーマや対象もさまざまですが、経営者・幹部向けの人材養成講座などは受講料が高額になる傾向があります。
“必要だが、負担としては軽くない”受講料。
これをムダにしない、学習効率を高める方法についてご紹介しましょう。
■セミナー等の受講料のカラクリとは?
セミナーや講座、研修会等の受講料は、基本的に
・会場費
・講師、スタッフ等の人件費
・配布資料の制作、印刷代
などの経費を勘案し、利益が出るように設定しています。
例えば新入社員向けのビジネスマナー講座、簿記やPC関連の特定スキル・資格の取得支援セミナー等は、開催会社も多く、受講料・内容ともほぼ横並びです。
対して管理職以上を対象とした高額セミナー等は、基本的な設定というよりも、相場的な価格が存在します。
受講料が安いに越したことはありませんが、会社がある程度の金額は支払うという現状、参加者同士での人脈構築・拡大など副次的な効果まで視野に入れ、決して高くない程度の受講料を設定します。
具体的には、概ね1日集中で1~3万、3回程度の連続セミナー等で5~10万くらいの受講料をよく見かけますが、これが経営者クラスになると10万円の大台を超え、さらに連続開催の養成セミナーとなるとその3~5倍まではね上がります。
こうした中で、セミナー等を選ぶ基準は何なのでしょうか。
考えられるものを2点挙げてみましょう。
①経営者層で知名度がある主催者の開催セミナー
=名前を出せば、大体の人が知っている経営コンサルタントやシンクタンク、メディア等が主催。「○○のセミナーへ参加した」という事実が経営者、参加者とも一つのステータスになります。
②経験に優れた講師が登壇するセミナー
=講師は、知識に優れている方と経験に優れている方に大別できますが、後者の経験・ノウハウは時代に関わらず有用であり、表に出てこない情報も含まれます。
そのため、どちらかというと後者を選んだ方がベターです。
■記憶は「読むだけなら10%、参加しても50%」程度
それでは、本題に入りましょう。
人間は記憶する能力があるものの、その能力は完璧とはいえません。
時間が経過するとともに、記憶が薄れ、いつしか忘れるもの。
その割合は、
読んで覚える=10%
聞いて覚える=20%
見て覚える=30%
見て+聞いて覚える=50%
といわれています。
これはエドガー・デールの学習の法則と呼ばれるもので、人間がどうやって情報を受け止めるかで記憶できる割合が変わることを示したもの。
数値は視認しやすくするために付け加えられたともいわれていますが、それにしても読むだけ、聞くだけでは記憶できないことがわかります。
そもそもセミナー等は、何十万円もの受講料を支払っています。
にもかかわらず、記憶の割合が半分以下というのは非常に効率が悪いといえます。
さらに、もし参加する社員が「資料に目を通す程度」できちんと受講していなければ、セミナー等での学習効率はわずか10%にとどまってしまうのです。
だからこそ情報を受け取る姿勢、つまりセミナーに参加する姿勢を改善することが大切です。
■社内勉強会の実施で、一気に効率アップ!
しかしながら、先に挙げたエドガー・テールの法則には、続きがあります。
実は、この法則では記憶する度合が90%という方法もあるのです。
それは、教えるということ。
セミナーであれば、参加者がその内容を記憶して、別の人へ教えるということです。
自分が講師を務める訳ですから、参加者の集中力は相当のもの。
これを上手に利用したのが、見出しに掲げた「社内勉強会」の開催です。
基本的には、セミナーへ参加した社員が講師を務めます。
著作権の問題があるため、講師を務める社員は録画して放映する、資料を転載することはできないため、「自ら学び、習得したこと」だけを頼りに教えることになり、セミナー聴講時は一切手を抜くことができません。
これが成功するとメリット大です。
なにより、セミナーに参加した社員は「教える」という責任から、読むだけにとどまるよりも9倍の効率をもって学習ができます。
さらに他の社員も知る機会が広がります。
春・秋はセミナーが多いシーズンですが、ただ参加させるのではなく、効率的に活用する手を考えてみてはいかがでしょうか。
最後に
現在、さまざまなビジネスノウハウセミナーの映像を無料で公開しております。
まずは気になる内容を見つけ、その後に受講を検討いただくと、効率的です。