なぜ人材派遣業は「調査データ」を無料公開するのか?

なぜ人材派遣業は「調査データ」を無料公開するのか?

      2017/03/06

新商品の発売やサービスを開始する際、会社では「ニュースリリース」を作り、マスコミやIR関係者、一般向けに情報を発信します。

 

こうしたニュースリリースばかりを集めたサイトで、よく見かけるのが人材派遣会社の調査データ。

 

「男女100人に聞く○○についての徹底調査!」「20代会社員の60%が△△との調査結果を発表」といったキャッチで、データを無料で公表しているのです。

 

そもそもマスコミ報道などで話題になることを目的にするニュースリリースで、なぜこうしたものを発信するのでしょうか。

 

 

 

■「調査にはお金がかかる」が常識

経営者や幹部、企画やマーケティングなどの部署で働く方はご存じでしょうが、何かの事柄について調査するには相応のコストがかかります。

 

そもそも情報を伝えることを仕事とするマスコミならば、コスト発生はやむを得ないと考えられますが、それ以外の職種では社外秘とするか、有料で販売するというのが一般的です。

 

マスコミと同じく情報を伝える会社でも、たとえばシンクタンクでは、業界や専門分野ごとに調査を行い、有料で販売しています。

 

また、大手サイト運営会社やアンケート専門会社なども、クライアントから費用を徴収し、ユーザーにポイント等のインセンティブを付与しながら調査を実施しているのです。

 

これらに対して人材派遣業界は、わざわざ自社で調査を行い、ほぼすべての項目についてデータを無料で公開しているのです。

 

 

 

■人材派遣業の調査、メリットはどこに?

調査データを無料公開するのなら、先の通り調査自体にメリットがあると考えるのが自然です。

 

しかし、これも該当しないような気がしています。

 

なぜなら、調査する内容を見るとトレンドやライフスタイル、嗜好に関するものが多くを占めるからです。

 

どちらかというと偏りがなくし、注目を集めているテーマを幅広く扱っている印象があります。

 

実は、ここがポイントとなります。

 

人材派遣会社は、派遣するべき人を多く獲得しています。

 

また関係性としても、働く場を紹介するという立場上、距離感が近いという長所もあります。

 

つまり、調査については「他社よりも実施しやすい」環境にあるのです。

 

この環境を利用したのが調査データの無料公開です。

 

マスコミやSNSユーザーが利用しやすい調査データが提供できれば、おのずと「メディア露出」や「話題性」を高める効果が期待できます。

 

それがブランディングにつながり、最終的には優秀な人材を集めるというメリットを生み出すのです。

 

考えてみれば、メーカーやサービス業の会社は、新商品・サービスを生み出すたびにニュースリリースを発表する機会が生じます。

 

一方で、人材派遣業はそれほど多くのリリースを出す機会はありまあせん。

 

「わが社は、こんな人材を派遣できます」とニュース的な切り口で発表しても、人を商品のように発表することは倫理観からしてどうかと思いますし、それほど他社と差別化を図ることはできないのです。

 

 

 

■会社に眠るデータも編集次第で商品に

この手法は、人材派遣業以外の会社でも利用する手があります。

 

それは、会社に眠っている調査データです。

 

高額を投じて調査したデータ、社外秘となっているデータを公表することは難しいでしょうし、古いデータは情報価値が低くなるということもあります。

 

ただ、蓄積したデータの経年変化をグラフ化する、専門性の高いニッチな調査データの一部を公表するといった編集作業を施せば、データの価値は高まります。

 

また、データ自体が公表できないとしても「データを持っている」「調査する能力がある」ということが発信できれば、それだけでも企業価値は高まるのです。

 

パソコンで何年も使われていない休眠データがあれば、活用を検討してみてはいかがでしょうか。

 

 - 思考, 集客