訪問営業で高成功率を誇る営業マンの一日とは?
2017/02/15
「営業マンは足で稼ぐ」とはよく言いますが、とくに個人宅や商店、オフィスを訪ねて新規顧客を獲得する訪問営業では、できる限り訪問数を増やすことで、成果をあげています。
そんな中、訪問営業で高成功率を誇る営業マンは特定の時間だけ集中して営業活動をするそう。
その理由を探るために、ある敏腕営業マンの一日を見てみました。
■午前:商品説明やロープレなどの学習時間に
多くの会社では、先手必勝、何よりも優先するという理由から、大事な商談やミーティングを午前に設定します。
営業マンも、集中力や気力が高く、万一不測の事態が生じても対応しやすい午前から外に出て、訪問をはじめるのが一般的です。
ただ、こと訪問営業に関しては避けるべき時間帯といえます。
先の通り、訪問先は慌ただしい状況が予想されるからです。
また、午前は判断力も比較的高いとされているので、運良く話を聞いてもらえたとしても冷静に「NO!」と判断されかねません。
朝の家事が落ち着く頃合を見計らって個人宅へ訪問するという手もありますが、都市部では共働きも増えているので非効率です。
むしろ午前は、集中力の高さを利用して、学習時間にあてるべきです。
これもよく言われますが、できる営業マンほど基本を重視するもの。
時間を見つけては、自らが売る商品について詳細を学び、お客様とのやりとりをイメージしてロープレを重ねているのです。
また、午後からのアポイントもこのタイミングで確認しておきます。
■午後:判断力が鈍り、感情が高まるベストな時間帯
まずは昼休みから。
午前の仕事を終えてホッと一息つく時間を狙って、オフィス備品を売り込む営業マン、契約者を介してオフィス内でチラシを配るセールスレディーの姿などが見受けられます。
この時間帯は場合によって効果的ですが、多くの説明が必要な商材は嫌がられてしまいうので要注意です。
そして迎えた午後の業務時間。
この4時間こそ、営業に最適な時間といえます。
理由としては、
・午前中に商談やミーティングを設定すると、午後は自身の作業時間となるため、話を聞いてもらえる可能性が高まる
・午前からの業務による疲れで、午後はやや判断力が鈍る
・夕方に近づくにつれて感情が高まるため、営業マンのトークや姿に心が動きやすい
などがあります。
さらに敏腕営業マンは頭を使って、相手が聞く耳を持つような理由を口にしながら、新規訪問を重ねます。
一般的には「まったく見ず知らずの相手」を警戒するものですが、これが少しでも共通点があったり、何か理由があったりすると、聞く耳をもつもの。
「(得意先の)近くなのでご挨拶にうかがいました」「前から気になっていて、時間が空いたのでお邪魔しました」との理由は、午後であればごく自然に聞こえることもあり、高い確率で話を聞いてもらえるようです。
■夜:人脈を広げ、次なるチャンスを探す時間に
夜は仕事を終えて帰宅する方も多く、オフィス訪問はNGです。
また、個人宅でも不審に思われる、家族との時間を妨げて悪い印象を与えるリスクもあります。
いずれにしても、営業には適していない時間帯であり、訪問にはアポイントが必須です。
むしろ夜は、人脈拡大に努めたいところです。
ビジネスパーソンが集うコミュニティー(セミナー・交流会)へ足を運んだり、知人との交友を深めたりしながら、具体的な訪問先、または新たな人脈拡大につながるキーパーソンとの出会いに力を注ぐべきでしょう。
敏腕営業マンは、こうした時間を楽しみながら過ごします。
成果やノルマ、会社といった視点ではなく、自らの人生を楽しむという目線で動くのでしょう。
その上で、距離感が縮まった相手には、場を改めて営業をします。
アポイントを取り、相手が話を聞く体勢をつくってもらえるようにすることで、高い確率で営業成果をあげるのです。
ここまでで論じたタイムマネジメントはあくまで一例であり、営業内容にあわせたカスタマイズが必要です。
ただ、漫然と営業に歩くだけで結果が出るものではないということを理解し、効率的に働くスタイルへと転換していきたいものです。