「ほめて伸ばす育て方」が若手社員を苦しめる?

「ほめて伸ばす育て方」が若手社員を苦しめる?

      2017/02/03

多くの企業ではお盆休みを終え、働く社員は心身ともにリフレッシュした状態で日常業務へと戻る時期を迎えています。

十分な休息の後はモチベーションも高まりやすく、部門によっては年内目標を再確認し、スタートを切るということもあるでしょう。

そんなこの時期に、少し懸念されるのが若手社員の心の状態。

休暇に入る前の不安な気持ちを抱えたままというケースも少なくないことから、この時点で状況を確認しておくことをオススメします。

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■「ほめて伸ばす」教育は企業でも定着したが・・・

近年では人材育成に対して、これまで以上に力を注ぐ企業が増えています。

 

とくに仕事上のミスや失敗を一方的に叱るということは避ける傾向にあり、少なくとも本人に話をさせ、「人格ではなく、ミスや失敗の原因を批判する」ということが多くなりました。

加えて、少しでも早く仕事で自信をつけさせられるよう「ほめて伸ばす」ということを意識している上司の方も多いと思います。

これまでは「叱られることが当たり前で、ほめられるなんて経験はない」という方でさえ、「今の若手社員は、こうやらないと育たない」と割り切って考えられていることでしょう。

 

これだけでも若手社員にとっては恵まれた環境といえるのかも知れませんが、それでも不安が払拭できない若手社員も存在します。

 

その原因の一つとして考えられるのが「ほめ方」の誤りです。

これは一般的な社員教育研修でも学ぶところだと思いますが、すべての部署で上司が学ぶということも難しいもの。

 

ここで専門的な手法に言及することはしませんが、少し考えてみたいと思います。

 

 

■子育てに似ているが、若手社員は「子ども」ではない。

年長者で経験も豊富な上司にとって、若手社員は子どものような存在です。

場合によっては、本当の父と子ほど年齢が離れているということもあるかも知れません。

そんな両者が毎日顔を合わせ、同じ仕事をして汗を流すわけですから、自然と親しみの感情もわき上がってくると考えられます。

そうなると、つい「親が子どもに物を教える」ような目線で話をしてしまう、ということも起こってくるのです。

 

言葉遣いは別として、よくある例としては「それはね、こういうものなんだよ」という教える口調。

これだけであれば問題ありませんが、若手社員が口にした考えや意思に関して、まず否定から入ってしまいがちです。

その後で、評価するべき成果があった際に「すごいね」「よく頑張った」などとほめたとしても、若手社員からすれば納得がいかないということもあります。

 

また、先のような否定が前提にない場合でも、無条件にほめることが続けば、若手社員も素直に喜べなくなります。

 

それは、ほめられている理由が不明瞭だからです。

何を見て評価してくれたのか、どこが評価されるべき点なのかがわからないようなほめ方であれば、若手社員は「ただ気をつかってくれているだけだ」と自信を持てなくなってしまうのです。

 

■肯定+存在感の確認で能力を発揮させる!

先日、同じ地域に住んでいる会社員と話す機会がありました。

まだ20代で、製造会社の営業部に数カ月から配属となりました。

毎日のようにほめてくれる上司の言葉が重荷に感じ、悩んでいると打ち明けた彼は、「何も成果を出せていないのに。きっと気をつかってのことだ」と考えていたようです。

 

しかし幸いにして、話をした数週間後に社内の対応が変わりました。

営業部長から直接、部の考えや方針を聞く機会があり、そこで「君が必要だ」と言い切ってくれたそうです。

 

さらに自分が考えた提案を口にすると、「その考えは違うと思うが、自分なりにやってみては」と期限付きながら承認されたとのこと。

これがきっかけになって、彼は自信をもって行動できるようになり、部全体の雰囲気も良くなりました。

 

もちろん個人差がありますが、ポイントとして気づくべきは「ほめるという行為」ではないということ。

 

ほめる行為の根底にある相手を肯定すること、また会社にとって必要という存在感を認知させることが大切です。

 

あくまで一例ではありますが、気になった上司の方はご参考いただければと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 - コミュニケーション, 思考