「未経験分野のリーダー」に選ばれたらやるべきこと2つ
2017/01/27
会社勤めのビジネスパーソンにとって、人事異動はつきものです。
会社としては
「様々な経験をさせて管理職たる人材に育てよう」
「より能力が発揮できそうな部署で活躍してもらいたい」
などの思惑があってのことでしょうが、職種の変更や未経験分野への転配となれば異動する本人は大変です。
今回はそれら異動の中でも不安が大きいと考えられる「未経験分野のリーダー」の任命を受けた場合を例に、最初にやるべきことを考えてみたいと思います。
■「専門性も経験もない」リーダーの苦悶
異動の理由は様々ありますが、リーダー的な役職の任命は概ね「会社からの期待感」と受け止めていいと思います。
とはいえ未経験分野となれば、リーダーの資質として欠かせない専門知識の習得、経験はないに等しく、リーダーシップを発揮する大きなハンデとなります。
さらに付言すると、冒頭で触れた会社の期待感は多くの場合、部下には伝わっていません。
新プロジェクトならスタートラインが同じなので問題ありませんが、すでに存在する部署であれば「部下=部署内では先輩」であり、いくら会社が役職を任命したといっても納得しない方も出てくることが容易に想像できます。
それを「仕事だから人間関係もドライに」という考えで接するということもできますが、そうでないならば最初の段階で取り組むべきことがあると思うのです。
■やるべきこと1:役職は「権力ではなく役割分担である」ことを明言する
リーダーに求められる成果はいくつもありますが、原則から考えれば売上や利益の向上、生産・業務の効率化、業務上の顕著な貢献などによる「業績の向上」が挙げられます。
そして、成し遂げる近道となれば各部署での業績向上であることは間違いありません。
その点から考えれば、リーダーは
「部署として成果を挙げる」ために考え、行動することが正解
であり、ここでリーダーシップの手腕が問われてきます。
さて、先ほど触れたように、未経験分野で従来からある部署の場合は専門性・経験とも部下の方が優れています。
この点をリーダーは素直に認めるとともに、部下が十分に能力を発揮できるようにすることが大切です。
任命されたばかりで人間関係ができてないのならば、役職で上下関係を強要したり、命令口調で接するのはNG。
むしろ役職=役割分担だというくらいの考えを持ち、それを部下にも伝えながら、同じ目線でコミュニケーションを深めていくことがリーダーシップにもつながるといえます。
■やるべきこと2:「新人になったつもりで」自己を徹底して鍛える
もう一つ大事なことは、自己を徹して鍛えることです。
何度も触れたように、リーダーに任命された時点で専門性も経験もないわけですから、「未経験分野だから」「会社に言われたから」と甘んじることなく、少しでも早くリーダーの資質を持てるよう自己研鑽に取り組むべきでしょう。
どんな職種でも同じですが、目の前で必死に働く姿を見れば、誰でも応援したくなるものです。
さらに仕事面で共通した体験を積み重ねていくことは、信頼感にもつながります。
また、会社にとっても
「どんな仕事でも真摯に向き合い、全力で取り組む人材」
こそ求めるリーダーの理想像ではないでしょうか。
こうした異動は少ないにせよ、可能性があるケースといえます。
もし、そんな辞令に直面したなら、決して悲嘆せず、むしろチャンスと捉えて心機一転取り組むべきところ。
こうした経験は、仕事面にとどまらず、人間的な成長にも大きな好影響をもたらすことでしょう。