起業の成功率と「友達の数」は比例する!
2017/01/03
日本では、既存のビジネスに最新のIT技術を融合させた新しいサービスを中心に、幅広い年代・業種で起業家が誕生し、活躍しています。
補助金や融資制度といった起業当初の支援体制も年々拡充されてきましたが、一方で起業に失敗するケースも後を絶ちません。
起業の成功/失敗という明暗を分ける違いとはなにか。
今回は10名の起業家から聞いた話をもとに、た「友達の数」が比例するという新たな法則性も含めて解説していくことにしましょう。
■起業家10人に聞いた結論は「究極のバランス感」
今回の記事にあわせて、少数ながら筆者のまわりにいた10人の起業家に
「起業の成功/失敗の明暗を分ける理由は何か」
と質問をしました。
非常におもしろいのは、開口一番に出てくる言葉が一致することはまったくなく、まさに十人十色な回答だったということ。
例えば、NPOを立ち上げた社会起業家は「勇気」と答えたのに対し、会社設立支援サービスで会社を興した経営者は「万全な準備」について指摘するなど、正反対な回答も見られました。
この後、せっかくなので他の回答を伝えたところ、全員が納得したのが「究極のバランス感」という言葉。
「一時的に振り切った判断やアクションも必要だけど、結局はバランスが大事」
であり、両極に振り切ってバランスを取ることから、この言葉にシックリきたようです。
起業家は目前の様々な課題や困難に対し、自分なりの考えで真正面からぶつかり、一つ一つを乗り越えます。
こうした「ケースバイケースで対処する」ことをくり返してきたからこそ、返ってくる答えに違いがあるのです。
さらには、全員が他の意見を否定しないという姿も印象的でした。
■聞いた意見の数だけ、確信と深みが増す
起業家は一人で考え、行動するシーンが多くあります。
重要度に関わらず、独断で決めなければならないこともありますが、ここで効果的に作用するのは「友達からの助言」です。
具体的には起業家仲間や専門的な知識を持つ業界の知人などで、自分の判断の後押し、また正反対の意見を期待して助言に耳を傾けるのです。
ここで一つ言えることは、
助言してくれる友達が多いほど、回答への確信と深みが増す
ということ。
もしも回答が違ったとしても、自分の見識をはるかに超える思考を経ているため、方向性の転換もずっと容易になります。
■現代にも通じる哲学者セネカの言葉
紀元前のローマ帝国に生まれた哲学者セネカの言葉に、次のようなものがあります。
「いかなる事も、友に相談すべし。とりわけ自分自身に関する事は。(中略)友の助言は有益である」
セネカが生誕して2000年以上経った現代においても、この言葉は通じるものがあります。
人間は、他の人間から影響を受け、学びながら成長していくもの。
起業家にとっても、友達は応援者であり、アドバイザーであり、新たな展開を生み出すキーマンになるのです。
もちろん、起業するまでに準備をすることも多々ありますが、一人間として、より多くの人との縁を広げておくと良いでしょう。