差別化ポイントがない時に取るべき販売戦術とは?
2016/11/22
■差別化できない場合の戦術
価格設定も性能、品質も、消費者からすると、「どれも同じじゃない?」と感じるような突き抜けたところも違いもない商品を売るにはどうしたらよいのでしょうか。
人が「買う」という行動を起こすということは、その支払う価格に見合う「ベネフィット(利益や得)」があると判断した時です。
100円の商品には100円分のベネフィットがある、100万円の商品には100万円分のベネフィットがあると判断し、その対価を払っています。
ですから、もし、購入してみて対価分のベネフィットを見い出せない場合に「クレーム」が発生するのです。
対価に対し、ベネフィットは大きいに越したことはありません。
ですから、商品でも価格でも他社の商品と差別化できないのであれば、このベネフィットをどれだけ感じてもらえるかが勝負になってきます。
■ベネフィットのアピール方法
一口にベネフィットと言っても、実は、ベネフィットは、機能的なベネフィットと心理的なベネフィットの2つの違う種類のベネフィットから構成されています。
例えば、自動車を購入する場合、購入者が得られる機能的なベネフィットは「移動ができる」という自動車が持つ機能により得られるベネフィットのことであり、そして心理的なベネフィットは、「この車に乗っていたらカッコよく見える」、「この車が買えるんだということをみんなに見てもらえる」というような、自動車というものが持つ機能とは関係のないところで買い手が得る心理的な満足と言えます。
機能も価格も同じような自動車が並ぶ中からその自動車を選んだとしたら、選ばれた車を購入することで、お客様は他の車を購入することでは得られない心理的ベネフィットを感じた結果だと言えます。
一概には言えないかもしれませんが、商品購入により購入者にどんな将来や可能性が生まれてくるのかを示すことは非常に有効なメッセージになると思われます。
例えば、この洗顔クリームを使えば、汚れが落ちるだけではなく、肌が活性化されて将来的にはつるつるの肌になれる、この塾に入会してもらえれば、お子様を熱心に指導するだけではなく、絶対に志望校に合格するまで指導します。そうしてお子様は将来の夢に1歩も2歩も近づくことができるし、下のお子様が入会される時には、入会金も免除になりますよ、など。
お客様の心理的ベネフィットは、それぞれのお客様のニーズや属性、個性、価値観によっても違います。
差別化できない商品を売るという場合、詰まるところ、想定するターゲット層とどれだけコミュニケーションを取り、お客様の「なりたい自分像」、「こう見られたい自分像」を抽出できるかが問われているということかもしれません。
■就職活動での活用
就職活動の季節。
スペックがほぼ同じで他の大学生と差別化が難しい。
企業側の心理的ベネフィットを大きくするため、しっかり受験する企業のニーズ、目指す会社像などを研究し、自分を採用してくれたらこんな将来が待っていますと力強く語ることの必要性が改めて明確になった気がします。
要らぬお世話ですが、就活をされている学生さん方は、まずはしっかり企業研究をしてください。