販促費の目安として役に立つ年間平均LTV
2016/10/18
■LTVとは
LTVという名前を知っていますか?
これは売り上げアップを考える上でとても大事な数値です。
LTVとは顧客生涯価値といって、顧客が将来にわたって自社の商品・サービスを利用し続けることを前提にした営業プランのベースになります。
つまり5年・10年かけて、宣伝などに掛かった費用を回収する目安となります。
宣伝広告やディスプレーなどに費用を掛けるのは基本的な営業活動ですが、それは利益率と比較しなければ経営面で合理的な予算が組めないものです。
やみくもに大金を掛けて宣伝してしまえば、それがコスト過多につながり、売り上げが立っても結果として赤字経営になる可能性もあるのです。
特に資金の小さな中小企業や個人経営の場合はこのLTVを指標にするべきだと言えます。
■LTVから考える販促費用
ただし、顧客生涯価値はかなりロングスパンで、実際の利用価値が低くなる傾向があります。
そこで年間平均LTVを試してみる様におすすめします。
この年間平均LTVは、一人の顧客が一年間で生じさせる利益高合計の平均値になります。
計算式は、「(年間売上高÷年間利用客の延べ人数)×営業利益率」です。
この数字が自社の1回あたりの販促費(宣伝費用など)の目安になります。
具体的な例をもって説明しますと、例えば年間売上高が3,000万円の店舗に1年で延べ3,000人の利用者があったとします。
営業利益率を10%とすれば、年間平均LTVが1,000円になります。
つまり一人の顧客を獲得するために、最大1,000円までは販促費用としても良いといえる指標が立つのです。
これは赤字にならないボーダーラインという意味で、実際はそのうちの30%~40%を上限としているのが一般的です。
■販促上限費用を無視した方が良いケース
ただし、営業開始時期や事業拡大時であれば、100%フルに投入するケースは珍しくありません。
多くの経営者にこの点で足踏みをするケースが見られます、利益は2年目以降から回収していく覚悟を決める事で、思いきった投資ができるのです。
これは大手の企業でよく見られるロジックです。
しかし、むしろ中小企業や個人経営の場合にこそ必要な手法なのです。
地域に自社の商品・サービスを知らしめるために赤字覚悟の大宣伝や特価を行う事で、大幅な売上向上につながるケースは少なくありません。
新規集客コストに販促費のすべてを掛ける営業手法は、そっくりそのまま投資として将来の売り上げアップの布石になるでしょう。
つまり、新規集客コストを1年・2年と長期スパンで回収するプランを講じる事がポイントなのです。
そのために年間平均LTVが大きく役に立ってくるという訳なのです。